電子書籍業界の裏話 その3 ビューワーアプリはなぜ使いにくいのか

元書店員が告白する電子書籍業界の裏話シリーズ、前回の続きです。

何気なく使っているビューワーアプリですが、開発に◯億円かかっているのはご存知でしょうか。
◯◯億円かもしれません。
海外はいいのです。
横書きだけなので。
でも日本語には縦書きと横書きがあるし、右開きと左開きがあるし、ルビはあるし、マンガは全部画像です。

日本の電子書籍の業界構造って実は10年も前にできていて、ガラケー用のマンガ配信で確立されています。
そこで普及していたフォーマットはXMDFと.bookです。
そこへきて世界共通フォーマットのEPUBにも対応しないといけなくなりました。
アマゾンの場合は独自フォーマットのAZWもあります。

マンガにはページビューだけではなくて、ガラケー時代の負の遺産コマビューも存在するので、それにも対応しないといけません。
はっきり言って売り物にはならないくらい画質が悪いのですが、これがけっこう需要があって外せないのです。

これらに対応するアプリを開発するのはメッチャたいへんです。
マンガは容量が重いので、ページ送りと画像表示が遅いアプリが多いです。
そのスピードを上げるだけでもたいへんだったりするのです。

海外はいいです。
マンガはこれほどたくさんないし、横書きだけだし、フォーマットはEPUBとせいぜいAZWでいいのですから。

アマゾンや楽天がこの有様になったのはそこら辺の誤算が原因と見ています。
アマゾンはまさか日本の電子書籍市場がマンガだらけだったとは思っていなかったようですし、楽天はビューワーの開発がこれだけたいへんだとは思っていなかったと思うのです。

Androidの機種依存は病的ですしね。

ダウンロードしたことがある方はおわかりだと思うのですが、マンガの容量は重いです。
1ページが画像1ファイルなので、200ページなら画像200ファイルになります。
それを一つのZIPファイルに圧縮し、DRMを仕込めば1巻出来上がりとなります。
容量はだいたい30〜70MBくらいですかね。

文字ものは画像が入っていなければ1冊10MB以下だったりして当然軽いです。

Kindleの回線使用料はタダではありません。
アマゾンが肩代わりしているだけです。
30MBを3Gでダウンロードとかキツイですよね。
だからKindleは3Gでマンガをダウンロードさせなくしているのです。
どっちみち3Gだと回線が途中で切れたりするので現実的ではありません。

縦書き、横書き、右開き、左開き、ルビの問題があるから海外のビューワーが使えなくて、アマゾンも楽天も日本用に新規に開発したのだと思います。
そしてあの使いにくいアプリが出来上がったと。
もちろんこれは時間が解決してくれるとは思います。

でもeBookJapan、BookLive、Rentaなどの老舗はすでに先を行ってますからね〜。
ずいぶん前からPC版電子書籍を愛用していた自分としてはKindleもkoboも出遅れ感が激しいです。

しかしビューワーがそこそこ見られるようになったとしても、電子書店に対する一番の不満点である「タイトル数が少ない」という問題は解決されません。
なぜこんなに少ないのでしょうか。

次回詳しく解説します。

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