Kindleとkoboの使い心地 〜電子書籍に適した端末は?

電子書籍関連の仕事に戻ったのでいろいろな端末に触れる機会があるのですが、タブレットはKindleとkobo“以外”がおすすめです。

個人的には文字モノはスマホ、マンガはNexus7などの普通のAndroidタブレットがおすすめです。
ここにきてiOSに対応しない事例が出てくるようになってきたので、やはりAndroidが優勢ですかね。

大きさですが、タブレットならせいぜい7インチまでです。
それ以上大きいと片手で持てなくなるし、なにより重くなります。

Kindleとkoboは機能が制限されていて使いにくいです。
Kindle信者の皆さんはよくこれで本が読めるな〜と感心するのですが、以前書いたとおり自分の周りのKindlerさんたちは早々にポイしてました。

Kindleを買う人達は読者というよりガジェットオタですね。
Kindlerに共通しているのはiPhone→iPad→Kindleという順番で購入している点です。
iPhoneでもiPadでも本は読めると思うのですが。。。

以下個人的な使い心地です。
あくまで主観ですので参考までにどうぞ。

Kindle Fireは重いです。
初めてiPadを持った時と同じ印象で、鉛を持ったみたいでした。
片手だけで読むのは無理な重さです。

まぁ、一昔前のバッテリの重さがズシリとくるわけですな。
今のAndroidタブレットは軽くなっているので、タブレットを購入するときは必ず店頭で実際に持って、触ってみることをおすすめします。

ページ送りのカクつきが本を読む際に一番気になるところですが、Kindle Fireはけっこう遅いほうだと思いました。
タブレットは日進月歩なので最新のほうがカクつきが少ないかと。

そしてKindle Fireは熱いです。 ←これ大事

検証用に使っているので全ページをめくったりするのですが、熱くて真夏は辛いだろうなと思いました。
真冬ならいいのかも。

充電しようとパソコンに繋げて使っていたのですが一向に充電出来ず、調べてみたらそういうものらしいです。
この時点で普通のAndroidタブレットのほうが断然使いやすいと思いました。

パソコンからデータをコピーしても、そのファイルがどこにいったのかがわからず確認しにくいです。
初めてのタブレットならいいのかもしれませんが、Androidスマホに慣れている自分としてはとても使いにくい印象でした。

と、ここまで書いてアマゾンのレビューを読んだら、同じ感想の人がけっこういるようなので、Kindle購入を検討している方はアマゾンのレビューにも目を通すことをおすすめします。

Kindle PaperwhiteはKindle Fireに比べたら軽いですけど、マンガが全部モノクロになってしまうので、画質の面で不満が残ります。
文字モノを読むにしても、とくにスマホより見やすいということもなく、スマホを持っている人がわざわざKindleを買う理由が見つかりませんでした。

正直、スマホのほうが文字がクッキリしていて見やすいと思います。

「PaperWhiteは目が疲れない」という人もいますけど、個人的には疲れ方はスマホと変わらないと思います。
紙だろうが、電子ペーパーだろうが、液晶だろうが、4時間もぶっ通しで読めば誰でも疲れるものです。

最近、仕事で8時間もパソコンの液晶画面を見つめていても、それが原因で「疲れる」という人は少なくなりましたよね。
要は慣れです。

koboですが、買って1ヶ月で捨てた人の気持がわかりました。
カクカクするというより、ほとんど故障のレベルです。
ページをめくる度にいちいち色が反転するところが、投げつけてブっ壊したくなる衝動に駆られます。

gloはかなりマシになったらしいですが、koboだから見やすいという点はとくに見つかりませんでした。

 
電子書籍は手持ちのスマホで書店アプリをダウンロードして読むのが一番いいと思います。
Kindleビューワーもkoboビューワーも、無料でスマホにダウンロードすることはできます。
ただし他の書店に比べて使い勝手はかなり悪いです。

 
昨日、ちょうど電車の中でiPhoneで本を読んでいる50代くらいのおじさんがいたのですが、後ろから覗いていたら綺麗で見やすかったですよ。
自分はAndroidスマホなのですが、同じように綺麗で見やすいです。

スマホのいいところは片手でつり革を握り、もう片方の手だけでスイスイページをめくって読めるところです。
スマホは小さいから「字が小さい」と言う人がいるのですが、設定で文字を大きくすることは可能です。
マンガも、文字が小さい部分は拡大することができるので不便さは感じません。

タブレットだと両手を使わないとページ送りができないですよね。
koboやPaperWhiteは小さいから「片手でできそう」と思われるかもしれませんが、それでもサイズは大きいのでどうしても重くなります。
実際にはあの大きさ、あの重さで長時間片手でずっと読み続けるのは無理だと思います。

やはり片手にスッポリおさまり、軽いスマホが一番読みやすいと思います。

仕事で生々しい数字を見ることができたのですが、一番売れている書店はやはりeBookJapanでした。

前にも書いたとおり、電子書籍に慣れている人が使っている書店はeBookJapanとBookLive!です。
マンガはeBookJapan、文字モノはBookLive!が、質・量ともに一番オススメです。
あと女性向けのマンガが充実している電子貸本Renta!は量の面で不満は残りますが、質の面では優れています。

無料立ち読み版でビューワーを比べてみれば一目瞭然ですが、Kindleとkoboはビューワーがまだ全然ダメダメなのでおすすめ出来ません。
ハードのほうで購入を考えている人は、必ず店頭で一度手に取って見てから考え直した方がいいです。
 

質問に回答:電子書籍はヱ○マンガしか売れない?

この記事はGoogleから注意を受けてしまったのですが、WordPressが勝手に広告を掲載してしまうのでいったん下げました。
現在は隠語でごまかしていますが、なんとなく察してください。

ガラケー時代に売れたマンガの8割、9割はヱ○だと言われてますけど、スマホではヱ○しか売れない、なんていうことはなかったですよ。
知人から質問されたのですけど、一応一般マンガも売れてはいます。
あまり具体的には言えないですけど、一般マンガも3割くらいは売れてました。

スマホはページビューがメインだし、ダウンロード期限が事実上、ほぼ撤廃されているので一般作品も売れることは売れます。

ただし前にも書いたように利益でいったら、限りなく「0(ゼロ)」に近いので飾り扱いでしたけど。

となると、残りが全部ヱ○なんですけどねw

うちでは文字モノは本当に売れなかったです。
たまに売れても官能小説とBL小説ばかりです。
ラノベは売れないことはないけど、それほどでもなかったです。

ヱ○といえば驚いたのが、ヱ○マンガを出版しているカゲキヤ出版とオトメチカ出版の正体が、ソニー・デジタルエンタテインメントだったことです。
SONYリーダーもたいへんな思いをしているのでしょう。

そしてヱ○マンガを購入している人の半分が女性だったことや、ハーレクインが意外に売れることも驚きました。

なぜハーレクイン? と思ったのですが、実際に読んでみてなんとなくわかりました。
立ち読みできるページ数が多いのですよ。
あそこまで読んじゃうと続きが気になっちゃうんですね。

女の人は恋愛モノがほんとーに好きですね〜・・・。 ←まったく興味のない目w

記事「Kindleとkoboの使い心地 〜電子書籍に適した端末は?」を追加しました。

電子書籍業界の裏話(おまけ) 10万冊配信中というけれど、ホント?

元書店員が告白する電子書籍業界の裏話シリーズ、前回の続き、これにて最後です。

10万冊配信中というけれど、そういう感じがしないカラクリを教えます。

厳密に言うと「冊」ではないのですよ。
どの書店もファイル数をカウントしているのです。
書店によっては立ち読み用の無料サンプルも数の中に入れているので、実際にはどこも3万冊くらいしか配信していないんじゃないでしょうかね。

そもそも市場にデジタル化されたファイルが、まだそんなに存在していないです。

ガラケー上がりの運営会社は、ガラケー時代のコマビューのファイルもカウントしているので、尚更サバ読みしているはずです。

もはや電子書店の「◯万冊配信中」はあてにならないと思ってよいかと。
書店自身も「冊に換算すると何冊あるのか?」と聞かれても答えられないと思います。

 
さてこの電子書籍の裏話シリーズ、けっこう反響があって驚いているのですが、最後に1つだけ書いておきたいことがあります。

ユーザーが一番懸念しているDRM問題ですが、自分は作家さんが動かないと何も起きないと思っています。
大手出版社は頭が固いので手をつけるつもりが全然ないし、一書店だけではどうにもならない問題ですから。

どの書店で購入しても、どんな端末で購入しても、一度買った本やマンガが問題なくずっと読める時代がくるといいっすね〜(遠い目。

以上、電子書籍業界の裏話シリーズでした。

追加:
知人から質問を受けたので回答しました。
「電子書籍はエロマンガしか売れない?」

電子書籍業界の裏話 その6 電子書店はみな赤字?

元書店員が告白する電子書籍業界の裏話シリーズ、前回の続きです。

2013年、電子書籍業界ではどんどん撤退が相次ぐと思われます。
実際に弱小取次ぎ業者で会社清算の案内を送ってきたところもありますし、某書店の看板サイトも今月で閉じるとのことでした。
ガラケー時代にはかなり売れていた運営会社も、「資金繰りが怪しいらしい」という噂が業界内に流れています。
人材を募集していますけどダミーか、社員が逃げたかのどちらかですね、きっと。

大手の一部署が運営している書店が閉店する場合、書籍の再ダウンロードはできるようにサイトは残しておいたりします。
更新をストップして放置するだけなので一見わからないです。

ガラケー上がりの運営会社はガラケー時代に稼いでいたとしてもスマホでは難しいです。
月額定額制などの同じやり方が通用しないですから。
書店運営だけの会社が倒産ともなると、今まで買った本がすべてパーになるので注意が必要です。

自分は書店の運営がうまくいかない理由の一つにGoogleとAppleがあると思っています。
スマホで物を買う時の決済方法、皆さんは何をお使いですか?

マンガの購入層は10代から30代が中心なのですが、クレジットカードが使えても基本的にはGoogleとApple決済を使ってます。
GoogleとAppleの手数料が何%がご存知でしょうか?

30%です。

では書店が一般マンガを売った時、取次ぎ業者に何%払うと思われますか?

答えは65〜70%くらいです。
出版社や作品によって異なります。

取次ぎ業者と出版社に7割もってかれて、GoogleやAppleに3割もってかれて書店にいくら残ると思いますか。

って、0(ゼロ)ですけどw
そういうことです。
GoogleもAppleもボッタクリすぎです。

しかも大手出版社はやれ特集ページを作れだの、やれバナーを作れだの、それを条件に配信を許可したりするのです。
お金をかけて特集ページを作ったところで、売れない物は売れないのですから書店にとってはマイナスだけです。

どういう運営をするかは本来書店が自分で決めることであって、出版社が決めることではないだろうといつも思ってました。
なので書店は赤にしかならない一般作品の取り扱いをやめて、比較的利益のあるアダルトマンガに絞ったりするのです。

Kindleの旨味は出版社も取次ぎ業者も介さない「ダイレクト・パブリッシング」ですが、結局はアマゾンに手数料という名目でほとんど搾取されてしまい、よっぽどでないとその恩恵を被ることはできません。

結局ショボい日本の電子書籍業界なのでした。

自分は今までどおりマンガはeBookJapan、Renta、文字モノはBookLive辺りで済ましちゃってます。
何もかもが安定しているし。

ちなみにBookLive自体はまだ新しい会社ですけど、ほぼ凸版なのでかなりの大手です(会社も凸版元本社ビルにあるし)。
ガラケー時代の中心的な存在ですね。
最初の頃はどうなることかと思いましたけど、リニューアルしてどんどんサービスが良くなっているので安心です。

電子書籍を経験したことがない方はKindleやkoboは後回しにして、手持ちのスマホで老舗のeBookJapan電子貸本Renta!BookLive!辺りを試してみることを強くおすすめします。

eBookJapanなんてこの道10年ですから、配信しているタイトル数が違いますよ。
どこも立ち読みができるので一度体験してみればわかると思います。

ゴツい専用端末を別途買う必要はないです。
スマホ自体は小さくても文字は拡大できるようになっているので、紙よりやさしい点もあります。

電子書店を選ぶとき一番大事なことは、潰れそうにない書店を選ぶことですが、黒字化しているとハッキリ明言しているのはeBookJapan電子貸本Renta!くらいですかね。
他で良いという話は聞いたことがありません。

Kindleやkoboでガッカリした人はぜひ老舗の電子書店も試してみてください。

次回はおまけのネタ話、「10万冊配信中というけれど、ホント?」です。

電子書籍業界の裏話 その5 なぜ取次ぎ業者はなくならないのか

元書店員が告白する電子書籍業界の裏話シリーズ、前回の続きです。
出版業界には、
著者 > 出版社 > 取次ぎ業者 > 書店
という業界構造があります。
せめて、著者 > 出版社 > 書店でよくね?
取次ぎ業者なんかあるから電子書籍の値段が安くならないんじゃないの?
取次ぎ業者なんていらない

というご意見もあると思います。
自分もこの業界に入る前はそう思ってましたけど実はそれは間違いで、そのヒントは前回の記事の中にあります。

デジタル化はとても手間がかかるのです。
書店乱立で出版社も各書店にいちいち何TBものデータの受け渡しなんてやってられません。

デジタルデータの作成だけではないのです。
出版社は売上げデータを算出して、各著者に売上げの一部の支払いをしないといけません。
小説や絵本なんて著者だけではなくてイラストレーターさんもいるし、料率はバラバラだし、その作業は膨大なのです。

出版社が一番やりたいことは書籍を作ること、編集がメインです。
なので出来れば各書店でどれだけ売り上げたかの管理なんて、一括して別のところでやって欲しいのです。
それを取次ぎ業者が代行しています。

取次ぎ業者はファイルの一括管理も行なっています。

出版社にデジタル化をお願いしても時間がかかってなかなか進みません。
そこで取次ぎ業者がデジタル化の代行も行なっています。
エロマンガの白ベタを入れたりもしているんですよ。

乱立する書店ですが、実は書籍を購入すると、別の書店であっても同じ取次業者のサーバーからダウンロードしていたりするんです。
hontoで買ってもSonyReaderで買っても中身は同じだったりします。
ユーザーさんは知らないうちに取次ぎ業者を使っているんですね〜。

なので取次ぎ業者なくして、今はまだ電子書籍は成り立たないのです。

取次ぎ業者を介していない電子書店はeBookJapan、Renta、Kindle、BookLive(取次ぎ業者ビットウェイと統合)くらいですかね。
他は取次ぎ業者のモバイルブック・ジェーピー(大日本印刷)、ビットウェイ(凸版印刷)、メディアドゥ辺りからデータを分けてもらっているはずです。

これを知った時自分は 工エエェェ(´д`)ェェエエ工 って感じで驚きました。

追記:
※ビットウェイは凸版から離れて出版デジタル機構に買収されました。
 ただしBookLiveとの関係は以前のまま続いています。
 ですので現在のBookLiveは取り次ぎ業務は行っていないようです。

書店は配信したい作品のデータがない場合はデジタル化を代行することもあります。
でも同じマンガや本を、別々の書店でデータ化するなんて効率が悪いですからね、取次ぎ業者が一括して管理したほうが絶対に効率がいいと思います。

というわけで、中抜きすると手間の面で辛い人がたくさん出てくるわけです。
これらは電子書籍の値段を下げられない理由の一つとなっています。

それにしても一冊単価が高い本てありますよね、スティーブ・ジョブズ伝記本とか。
あれは単に講談社のボッタクリだと思います。
たぶん最初の見積もりであそこまでヒットするとは思っていなかったのではないかと。

書店は勝手に値段を下げられません。
出版社との契約があるからという理由もありますが、そもそも今のままですでに赤字なので下げられないです。

そこら辺は次に解説します。

追記:
2013年の夏くらいにKindleが一斉に価格を下げた影響で、他の書店も価格を一斉に下げました。
ちなみにアマゾンは日本に税金を納めていないので消費税分安いです。
大手出版社の間では、本来価格は市場の原理で動くものであるから、一律定価ではなくて、あるべき姿に近づくのは時代の流れだと自覚しだしたようです。